任意整理をすれば、「未払い利息」を返さずに借金を整理できる!

任意整理の効果って、どんなものだったかいますぐに答えられますか?

  • 弁護士や司法書士に依頼することで、債権者からの取りたてをとめられる
  • 利息の引きなおし計算をして、過払い金の額だけ借金がへる
  • 未払い利息や遅延損害金、将来利息などを返さなくて良くなる

取りたての中断や利息の引きなおし計算、過払い金についての話は、これまでほかの記事でも紹介しています。

ですが、「任意整理すると各種の利息を返済しなくて良くなる」にはあまり深くふれていませんでした。

利息は債権者にとってのもうけです。

利息をカットするということは一方的に債権者だけが損をするということですよね。

任意整理がいくら借金で困っている人の救済策だとしても、「任意整理をすると利息がカットできる」のはいったいどうしてなのでしょうか。

借金の返済で困っているとついつい「残っている借金の額」ばかりに注目してしまいがちですが、そもそも借金の返済が苦しくなってしまう原因の多くは「利息」にあるのです。

今回は、「あなたを追いつめる未払い利息」をチャラにすることができる、任意整理のもうひとつのメリットをご紹介します。

意外と知らない「利息」の話

借金をすると、返済するときに利息が発生します。

消費者金融などで「年利○○%」などといっているものですね。

この利息、どういうふうに計算しているか知っていますか?

じつは利息というのは、「お金を借りた日(前回返済した日)から、つぎに返済をした日までの日数=利用日数」に応じてかかるようになっています。

計算式でいうと、

  • 借金の元金×年利÷365日×利用日数=発生している利息額

です。

ちょっと補足しておきましょう。

元金はそのままの意味ですね。

貸金業者がいう利率は「1年間の利息の割合」なので、365日で割って1日あたりの利率を出します。

現在残っている元金と、前回返済日から次回返済日までの日数を数えて、「何日ぶんの利息なのか」を計算するわけです。

重要なのは、こういった計算で加算される利息が、返済するときに「元金より優先」されることです。

未払い利息があなたの借金返済を苦しめる!

借金の返済では、「返したお金のなかからまず利息を引いて、余ったら元金の返済にあてる」という考え方をします。

例えばあなたが年利18%で10万円借りていて、30日後に5000円返すとすると、30日後の利息は1479円。

「利息はおいといて、さきに元金だけ5000円返済しよう」

「利息は1000円、元金は4000円返済しよう」

といった調整はできないので、あなたが返済した5000円は、まず利息の1479円の支払いにあてられ、余った3521円が元金の返済に回されることになります。

30日の利息ならたいした負担には感じません。

ですが、返済がちょっと遅れて2ヶ月たったらどうでしょう。

3ヶ月、4ヶ月返済できないでいると、利息は「6918円」です。

4ヶ月後に5000円を返しても、「利息を5000円ぶん払う」だけなので元金は1円たりともへりません。

借りている金額が多く、しかも長く返済していなければいないほど、「返しても返しても借金がへらない」理由が、未払い利息にあるのです。

実際には遅延損害金も加算されるので、一度にもっと多くのお金を用意できないと元金はへりません。

未払い利息があると借金の返済が難しくなるので、任意整理では「未払い利息のカット」を交渉するわけですね。

任意整理を決意する場合、多くの人が未払い利息を抱えている

意整理をする人は、未払い利息を抱えていることがほとんどです。

ちょっと考えてみてください。

任意整理をしようと思うのは、「返済ができなくて、もうどうしようもない」状態になってからですよね。

任意整理をすれば信用情報に記録が残り、いわゆるブラックリスト入りします。

お金もかかるので、「ちょっと来月の返済ができそうにないから、任意整理しよう」なんてお気楽に考える人はなかなかいません。

任意整理を考える時点で、「もう何ヶ月も返済できていない」「ほかにどうしようもない」「取りたてが厳しくてつらい」と悩んでいるからこそ、任意整理の利用に踏み切るわけです。

任意整理が完了するまで、はやければ3ヶ月、長引けば半年くらいはかかります。

手続きをはじめればすぐに取りたては中断されますが、利息の計算はそのまま継続されてしまいます。

手続きがおわるころには、おそろしいことに「任意整理するくらい大変なこれまでの未払い利息」にくわえて、「任意整理をはじめてからおわるまでの日数ぶんの未払い利息」がたまっているのです。

いくら利息の引きなおし計算をしても、利息がゼロになるまで元金を減らすことができないわけですから、完済なんて夢のまた夢ですよね。

だからこそ、任意整理の交渉では「未払い利息のカット」を求めることがとても重要なのです。

過払い金がない人にとっては、「取りたての中止」と「未払利息をはじめとする各種利息のカット」こそが任意整理を選ぶ理由になっているのですね。