個人再生手続きの流れが知りたい!

破産しそうな人、借金を返せない人は「裁判所に申し立てをして、借金を大幅に圧縮する」個人再生手続きを考えてみてはいかがでしょうか。

個人再生手続きは、もともとは借金返済ができずに倒産する企業を立ちなおらせるための制度である、「民事再生」を個人でも使いやすくした手続きです。

個人再生では、裁判所が認可した再生計画にもとづいて「法律で決められた金額」を支払うことで、残りの借金を整理できます。

任意整理するよりも大きく借金をへらせて、しかも自己破産と違って持ち家を手放さなくてもいい、とても効果の大きな債務整理なのです。

そんな個人再生手続きですが、「よし、個人再生をやってみよう!」と思ってから実際に返済をはじめるまでに3ヶ月から半年ほどの時間がかかるうえ、もとが企業向けの手続きなので必要手順も複雑でわかりづらい。

用語も難しく、注意しなければならないことも多いのでとにかく大変です。

そこで今回は、個人再生手続きへの第一歩として抑えておきたい、「手続き全体の流れ」を紹介していきます。

一般的な個人再生手続きの流れ

ものすごくざっくりと個人再生の流れを説明すると、

○あなたが裁判所にいって申し立てをする

○正式に手続き開始

○裁判所が、借金の調査と債権者との話し合いをする

○あなたが再生計画を提出して、裁判所がチェック。問題なければ認可

○債権者から文句がでなければ再生計画の確定

○返済計画にもとづいて、返済をはじめる!

となります。

おおざっぱに説明しても、手順がたくさんありますね。

ですが実際には、もっとこまかな手続きが必要です。

手続きを成功させるためには、コツコツと手順を踏んでいかなければなりません。

おおよその流れをふまえたうえで、もっと具体的な手続き手順も確認していきましょう。

ちなみに、各手続きの頭に、

あなたがすること=○

裁判所がすること=◇

債権者がすること=●

という記号をつけていますので、参考にしてみてくださいね。

○申し立てをする

個人再生手続きは、利息の引きなおし計算や過払い金返還請求を行っても返済不可能な人のみ申し立てることができます。

事前にできることをして、必要書類をそろえたら、あなた自身が裁判所にいって申し立てをしましょう。

○◇個人再生委員が決まり、面談とテストをうける

東京地方裁判所で個人再生を行う場合、司法書士に依頼して申し立てた場合、または弁護士などをたてずに個人で手続きをした場合、「本当に再生計画を守れるのか」をチェックする第三者である「個人再生委員」が選出されます。

たいていは、申し立てをした裁判所が用意する弁護士ですね。

個人再生委員が決まったら、弁護士をたてていてもあなた自身が個人再生委員と面談を行わなければなりません。借金や返済計画について、1時間くらい質問されます。

また、半年間かけて実際の返済額を振りこんでみる「返済のテスト」をうける場合もあります。

裁判所は、冷静な第三者である個人再生委員の意見を聞いて、あなたの申し立てを認めるかどうか考えるのです。

◇正式な再生手続の開始決定!

個人再生手続きは、裁判所に書類を提出したあと、チェックを受けて正式な開始を認められてからがスタートです。

●債権者が「債権届出」を裁判所に提出

裁判所は、あなたの借金の状況を正確に調べるために取引履歴などを債権者から提出させます。

○◇●債権について問題などがあれば、債権者からの異議申述

過払い金がある、担保にしている財産の金額があなたと債権者とで食い違っているといった場合、借金額を決定するために意見をぶつけあいます。

債権者「借金は100万円だ!」

あなた「過払い金が15万円あるから、85万円でいいはず!」

裁判所「じゃあ、判断しましょう」

なんてふうに調整するわけです。

○再生計画の提出

ようやく、再生計画の提出です。

個人再生の返済期間は通常3年、長くて5年。

再生計画はそのあいだ、毎月いくらずつ返済していくのか、どのように返済するのかといったことをまとめた計画書です。

●◇裁判所が再生計画をチェックする

再生計画のチェックは、裁判所が行います。

あなたから提出された再生計画は、「この再生計画に賛成しますか、反対しますか」をたずねる「議決書」といっしょに各債権者にも送られ、その結果で認可が決まります。

●◇認可決定!

債権者の半数が再生計画に合意していて、反対した債権者の借金額があなたの借金総額の半分を越えていないなら、再生計画は認可されます。

○◇●即時抗告期間がおわれば、再生計画の確定!返済開始

裁判所が再生計画の認可を決定しても、まだおわりではありません。

認可のあとは官報にあなたの名前がのり、1ヶ月ほど時間をおきます。

この期間を「即時抗告期間」といって、債権者がいわゆる「異議あり!」をすることができるのです。

無事に即時抗告期間がおわれば、正式にあなたの再生計画は「確定」します。

ここから再生計画に従って返済をしていくことになる、というわけですね。

個人再生手続きはやることが多いので、ひとつずつ確実に手順を進めていきましょう。