再生計画って、失敗してもまた申し立てできるの?

運転免許の試験は、落ちてもまたチャレンジできます。

受験も一発勝負ではあるものの、またつぎの年に試験を受けることができます。

買いものをし忘れたら、またつぎに日にでかければいいでしょう。

生活のいろいろな場面で、私たちは「失敗したらやりなおす」ことができますよね。

債務整理も、「借金返済ができなくて、どうしようもなくなった人が経済的にやりなおす」ための手続きです。

ただ、世の中には一度失敗したら再度チャレンジできないことだってたくさんあります。

では、小規模個人再生はどうなのでしょうか。

不認可になった、一度認可を受けてからまた手続きをしたい、という人は再度チャレンジできるのでしょうか。

  • なんらかのミスがあって、手続きが棄却されてしまった!
  • 債権者が反対して、再生計画の認可がおりなかった
  • 一度小規模個人再生に成功したけど、途中で返済が難しくなった
  • 小規模個人再生に成功して支払いを終えたけど、また個人再生をしたい

今回はそれぞれのケースにおける再申立の可否、そして注意しておきたいことを紹介していきます。

小規模個人再生なら再度申し立てできる!

いきなり結論です。

あなたが「小規模個人再生」を行う場合、どんな理由であっても、どんな事情があっても手続きの再申立がは可能です。

厳密にいうと、「小規模個人再生→小規模個人再生」「小規模個人再生→給与所得者等再生」「給与所得者等再生→小規模個人再生」ならできます。

じつは、小規模個人再生手続きには「申し立てを禁止するルール」がありません。

もちろん「小規模個人再生手続きの条件」で紹介したとおり利用資格はありますが、「最低限の条件をクリアしていれば、だれでも何度でも申し立てできる」のが小規模個人再生手続きなのです。

ケースべつに見てみよう!こんなとき、再申立はできるのか

「本当に二回目のチャレンジができるの?」と不安な人のために、ちょっと具体的なケースで再申立が可能なのか見てみましょう。

なんらかのミスがあって、手続きが棄却されてしまった!

  • 手続きをするさいに必要な、裁判所への予納(費用の前払い)をしていなかった
  • 書類に不備があった
  • 最初からまともに返済する気がない
  • 小規模個人再生に必要な条件をクリアできていない

などの場合、小規模個人再生の申し立てをしても棄却、つまり手続きそのものが却下されてしまいます。

申し立てが棄却された理由を改善しないと意味がありませんが、こんな場合でも小規模個人再生なら再申立可能です。

債権者が反対して、再生計画の認可がおりなかった

小規模個人再生の再生計画の認可には、「債権者の半数以上の賛成」「反対している債権者からの借金が、あなたの借金総額の半分以下である」という債権者の合意が必要です。

債権者があなたの小規模個人再生手続きに反対をした場合、再生手続は「不認可」になってしまいます。

この場合でも、小規模個人再生なら再申立可能です。

ちなみに債権者の反対によって不認可になった場合、再生計画の認可に「債権者の合意がいらない」手続きである給与所得者等再生の申し立てをする、なんて解決法もあります。

一度小規模個人再生に成功したけど、途中で返済が難しくなった

一度小規模個人再生手続きをして、再生計画に認可ももらってまじめに弁済をつづけていた。

ただ、途中で会社が倒産してしまった、病気になって働くことができなくなった、転職してお給料が大幅にさがってしまった、なんて場合、再生計画どおりに返済することができなくなってしまいます。

こういうときは、あらためて小規模個人再生の申し立てを行うことで、あなたのいまの収入や生活にあった再生計画に練りなおすことができるのです。

小規模個人再生に成功して支払いを終えたけど、また個人再生をしたい

認可をもらって返済途中に再申立をしたい、という場合とはべつに、「小規模個人再生に成功して3年間ぶんの弁済をきっちりおわらせたけど、またたくさん借金をしてしまったから再申立をしたい」なんてケースも考えられますよね。

一度借金の底なし沼にはまって後悔した人でも、気がつけばまた借金をしてしまった、なんてことはよくあるのです。

この場合でも、小規模個人再生なら申し立てできます。

再申立を禁止するルールがないので、当然といえば当然ですね。

給与所得者等再生の場合、認可決定から7年は申し立てできない!

一方、給与所得者等再生には、

  • 給与所得者等再生をして再生計画の認可がでてから7年間
  • 免責が決定してから7年間(自己破産、ハードシップ免責ふくむ)

は、「給与所得者等再生を再度申し立てることはできない」というルールがあります。

「再生計画の認可に債権者の同意がいらない」ぶん小規模個人再生よりも優遇されているので、ちょっと制限が厳しいのです。

ただ、「給与所得者等再生→小規模個人再生」は可能ですし、給与所得者等再生の認可や免責決定から7年たっていれば、給与所得者等再生の再申立もできます。

給与所得者等再生をした人だけは、最申立に制限があるので注意しましょう。