個人再生委員は、東京地方裁判所で手続きすると必ず選出される!
「個人再生をするために、個人再生委員と面談をしなければならない!」
なんてきくと、思わず大学入試や就職試験、アルバイトの面接のような重苦しくたのしくない面談を想像してしまうのではないでしょうか。
たしかに、個人再生員とは「あなたの返済能力をチェックし、裁判所に意見書を提出する試験官」のような存在です。
ですが一方で、あなたの個人再生プランをよりしっかりしたものにできるよう、アドバイスをしてくれる存在でもあるのです。
今回は、手続きを「東京地方裁判所」で行うと必ず選出される個人再生委員と、裁判所に提出しなければならない再生計画案についてのお話をしていきます。
どうして、個人再生委員は東京地方裁判所では絶対に選ばれるのか
個人再生委員は、裁判所があなたの返済能力や意思をチェックするために用意する存在です。
通常は裁判所の弁護士が個人再生委員として選ばれます。
そのため、場所によってはあなたがたてた代理人弁護士が個人再生委員とおなじ仕事をする、なんてことも。
ただ東京は日本のなかでもずば抜けて人口が多く、弁護士の数も多いので、すべての個人再生手続きに個人再生委員をつける余裕をもっています。
可能だからこそ、必ず委員が選出しているわけです。
どんなふうに面談が行われるのか
あなたが個人再生手続きの申し立てをして、1週間から2週間くらいで個人再生委員が決まります。すると、すぐに面談を行うことになります。
この面談をクリアしないと、裁判所は手続きの正式な開始を認めてくれません。
つまり、東京地方裁判所では絶対に個人再生委員との面談があるわけです。
面談では、あなたが申し立てをするときに提出した申立書や陳述書をもとに、いくつかの質問をされます。記載にうそがないか、返済能力に間違いないか、などですね。
面談は30分から1時間くらいで終わるので、あまり時間はかかりません。
とにかく正直に、きかれたことを話せばいいだけです。
個人再生委員相手に行う返済のテストとは
東京地方裁判所では、「分割予納金の履行テスト」というものを行います。
簡単にいうと、「あなたが提出した申立書のとおり返済することができるのか、ためしに半年間、裁判所に対して実際に返済をしてみよう、というテスト」のことです。
あなたの返済プランが毎月4万円ずつ返済していくものなら、半年で24万円振り込みできれば返済能力もあるだろう、とチェックをするわけですね。
ちなみに個人再生委員への報酬は、履行テストで振り込んだお金のなかから支払われます。
報酬よりも振り込み総額のほうが大きい場合、余ったぶんは裁判所から返してもらえます。
あらためて知りたい!再生計画案ってなに?
個人再生委員との面談を終え、正式に手続きの開始決定となってからしばらくすると、「再生計画案」を裁判所に提出しなければなりません。
提出された書類を裁判所がチェックして、問題がないなら債権者に送って賛成か反対かの意見をきき、再生計画の認可・不認可がわかるわけです。
とても重要な書類であり、しっかりしたものをつくる必要があります。
返済期間は原則3年!
個人再生での返済期間は原則3年です。
3年よりみじかい2年、1年で返済する再生計画案をつくってもとおることはありません。
「最大5年」の再生計画をたてることもできますが、認可されるのはよほど特別な事情がある場合のだけなので要注意。
ちなみに、「返済は3ヶ月に1回以上行うように」という決まりがあるので、毎月ではなく3ヶ月に1回の返済にすることもできます。
書類は自分でつくるべし!
書類のテンプレートは日弁連のホームページで無料で公開されていますが、再生計画案は基本的にあなたが自分でつくることになる、と思っておきましょう。
もちろん弁護士を代理人にしていれば書類をつくってもらえます。
ですが再生計画案は、個人再生が認可されてからあなたがどのように返済していくのかをまとめた書類です。
実際に返済をするあなた自身が理解できていないと、意味がありません。
いまある借金の何%を弁済するのか、毎月何%ずつ、ボーナスのときは何%ずつ返済するのか、どうやって返済をするのか、といったことを書き込むためには、個人再生に対するある程度の知識が必要です。
弁護士をたてない場合は、個人再生委員にアドバイスをもらおう!
あまりおすすめはできないのですが、弁護士に依頼せずに自分で個人再生手続きをする、なんてこともありますよね。そういう人は、個人再生委員を頼りましょう。
個人再生委員は、再生計画案のアドバイスもしてくれます。
書類をまるごとつくってもらうことはできませんが、助言があるのとないのとでは大違いです。
期限までに提出しないと、個人再生手続きが打ち切りに!?
再生計画案には提出期限があります。だいたいですが、手続きの開始決定から4ヶ月くらいですね。
もし提出期限をまもることができなかった場合、そこで手続きが打ち切りになることも。
きちんとした内容の再生計画案を、提出期限をまもって提出していきましょう。