再生計画案が認可されたら、不認可になったらどうなるの?
個人再生手続きをして、あなたの再生計画案が認可されたら、もしくは不認可になったら一体どうなってしまうのでしょうか。
手続きの最後、再生計画が認可された場合のながれと不認可になった場合のながれを抑えていきましょう。
再生計画が認可されたらこうなる!
小規模個人再生の場合、あなたの再生計画案を債権者に見せ、賛成か反対かの決議を書面で取って認可・不認可の決定をします。
「消極的同意」といって、半数以上の債権者があなたの計画に賛成してくれれば、問題なく再生計画案は認可されるわけですね。
給与所得者等再生なら、裁判所だけの判断で認可・不認可が決まります。
ただ、認可されたらすぐに支払いがはじまるわけではありません。
じつは、債権者の意見を問うために1ヶ月ほど時間をあけ、「再生計画が確定」するまで待たなければならないのです。
官報にあなたの名前がのって、1ヶ月間の即時抗告期間がもうけられる!
再生計画案が認可されると、政府が公表する新聞のような書類、官報にあなたの名前や住所が記載されます。
同時に1ヶ月間の猶予がもうけられ、債権者は「即時抗告」といって最後の最後に「この再生計画案には反対だ!」と声をあげるチャンスを与えられるのです。
小規模個人再生であなたの再生計画案に反対をした人、給与所得者等再生で意見を聞かれもしなかった債権者は、不服を申し立てることができます。
債権者が即時抗告したら、高等裁判所で協議!
もし債権者が認可決定後に即時抗告をした場合、地方裁判所の審判をくつがえすかどうかを考えることになるので、「高等裁判所」で協議を行うことになります。
即時抗告されなかったら再生計画の「確定」
債権者から即時抗告されなかった場合、1ヶ月無事に過ごした場合は認可が「確定」します。
あなたの再生計画案は「確定」になった時点で確実なものになり、実際に債権者がもっているあなたの借金も、確定になってから再生計画案にあわせて減額されます。
認可確定になるまでは、油断できないということですね。
再生計画案どおりに返済をはじめよう!
確定になったあとは、返済をはじめましょう。
毎月ごとの返済であれば、再生計画案の確定をした月の翌月から支払い開始。
3ヶ月に一度の支払いなら、確定をした月の3ヶ月後が最初の返済日となります。
再生計画が不認可されたらこうなる!
では、再生計画案が不認可になったらどうなってしまうのでしょうか。
じつは、不認可になった人は「不服の申し立て」をすることができます。
なにもしなければ、手続きが打ち切られておしまい
不認可になって、なにもしなければ手続きはそこで終了です。
裁判所に対して不服の申し立てをすると、再度審議をしてもらえます。
ただ、一度不認可になっているので、不服の申し立てをして認可されるかどうかはちょっと難しいのも事実です。
不認可になった理由を考えて、原因を改善しなければなりません。
申し立てを取り下げて、もう一度手続きに挑戦する
不服の申し立てをして結局ダメだった、もしくは不服の申し立てをしなかった場合、個人再生には失敗しているのであなたの借金はそのままです。
残念なことに、手続きしているあいだも未払い利息がたまっているので、申し立てをするまえより返済は困難になってしまっています。
この場合、返せない借金を抱えているのは大変なので、「もう一度個人再生手続きを申し立てる」ことも可能です。
注意しておきたいのは、「再度申し立てをするためには、一度いま行っている手続きを取り下げてから、新しく申し立てしなければならない」という点です。
例えば、「小規模個人再生がダメだったなら、そのまま給与所得者等再生に切り替えればいいじゃないか! 個人再生委員との面談や必要書類の準備をすっ飛ばして審議してもらえば楽できるぞ」なんてことはできない、ということですね。
一旦手続きを取り下げて終わらせ、書類を用意してまたいちから手続きをはじめなければなりません。
ちなみに、小規模個人再生で不認可になったので、債権者の同意がいらない給与所得者等再生を新しく申し立てたら再生計画案の認可がもらえた、なんてケースもあります。
そのほかの債務整理手続きを考える
個人再生手続きに失敗してしまって、再度個人再生手続きをするのもひとつの手です。
ですが、ここでべつの債務整理手続きを選ぶこともできます。
といっても、個人再生手続きは「どうしても借金を返済できないから利用を考える手続き」なので、任意整理するのは難しく、基本的に自己破産を目指していくことに。
もし不認可の理由が「借金総額5000万円をこえていたから」ならば、個人再生ではなく民事再生手続きを目指すのがいいでしょう。
借金を放っておく時間が長いと、ますます返済が大変になっていきます。
自己破産をするにしても、必要書類の用意や手続きそのものに関する勉強も必要です。
個人再生は認可の確定まで半年ほどはかかる手続きなので、不認可にならないように、不認可になったとしてもすぐにつぎの手を打てるように、準備をしておきましょう。