自己破産をすると、家族に迷惑はかかるのか

「自己破産なんかしたら、家族や知り合い、お世話になっている人に迷惑がかかってしまうんじゃないか・・・」

と考えて「絶対に自己破産だけはしたくない!」といってしまう人、けっこういます。

実際のところどうなのか、あなたも気になりませんか?

今回は、「あなたが自己破産をすると、だれにどういう迷惑がかかるのか」という話をしていきます。

ぜひ、最後まで目をとおしてみてくださいね。

あなたの自己破産は、「連帯保証人」に大きな影響を与えてしまう!

あなたが自己破産をすると、「連帯保証人」に大きな迷惑がかかります。

「連帯保証人」という制度のことを聞いたことがない、わからないという人、どれくらいいますか?

数万円、数十万円くらいの借金ならば、無担保・無保証人で借りられる貸金業者は多いです。

ただ数百万円規模の借金の場合、お金を借りるときに「連帯保証人」というものが要求されます。

連帯保証人とは、「もしあなたがお金を返せなかったとき、かわりに責任をとってお金を返してくれる人」のこと。

もうちょっとくわしくいうと、「あなたからの返済がとどこおったとき、あなたの借金をかわりに返してくれるよう、債権者が請求できる人」のことです。

たいていの場合、連帯保証人は「あなたの借金の全額」を保証しています。

破産手続きを申し立てたら、債権者はすぐに連帯保証人に請求をする!

さあ、鋭い人はもうお気づきでしょう。

もしあなたが自己破産をした場合、債権者は貸したお金を回収できなくなってしまいます。

あなたが借金を返済できない、しないということが確定した時点で債権者がなにをするかというと、「連帯保証人に、あなたのかわりに借金を返すよう請求を行う」のです。

「連帯保証人にだけはなるな」なんて良くきく話ですが、それでも「絶対に迷惑はかけないから!」といわれて知り合いや親族の連帯保証人になってしまっているケースもすくなくありません。

例えば、甥っ子や姪っ子が大学に進学するための奨学金の連帯保証人になっている・・・なんてよくある話ですよね。

連帯保証人からみれば、あなたが自己破産することで、これまで関係のなかった莫大な借金をいきなり抱え込むことになってしまうのです。

請求は基本的に一括!

債権者からあなたの連帯保証人への請求は、「お金の借り主が破産をしたので、のこっている借金を一括で払ってください」という一括請求で行われてしまいます。

自己破産をするほど追いつめられてしまっている人の借金ですから、ちょっと財布からお金をだせば、今月の食費をけずればなんとかなる、という程度の金額ではおさまらないことのほうが多いです。

あなたの連帯保証人が、あなたの借金を払えなかったら・・・

幸運にも連帯保証人が借金の残額をまとめて支払うことができれば、そこで返済は終了です。

ただ、一括では返済できないケースのほうが多いので、その場合は「連帯保証人が、自分で」債権者と話をして分割返済の交渉をしたり、個人再生や自己破産などの債務整理手続きを検討したりしなければなりません。

あなたのかわりに借金が返せなければ、最悪の場合自己破産をしたあなただけではなく、連帯保証人もおなじように自己破産しなければならなくなってしまう、かもしれないわけです。

「連帯保証人なのか」が、家族に迷惑をかけるかどうかの分岐点!

あなたが自己破産をした場合、すぐに連帯保証人に対して借金の請求が行われます。

いいかえると、あなたが自己破産をしても「連帯保証人以外の人にはなんの影響もない」ということです。

一昔前の映画やドラマであるような、「あんたが借金を返せないなら、家族に返してもらおうか!」なんて修羅場はおこりません。

本人以外の家族などへの取りたては、法律でもはっきりと禁止されています。

自己破産前後のサポートを考えれば、家族にサポートしてもらったほうがいい

ただし、「家族は連帯保証人ではないので、自己破産をしても迷惑なんてかけない」という人でも、家族に破産することを説明しておくことをおすすめします。

自己破産すると、持ち家やローン返済中の車、生活に必要最低限以上の財産は差し押さえられます。

家族といっしょに住んでいる家が突然差し押さえされたら、生活どころの話ではありませんよね。

自己破産からの経済的な復帰、精神面のサポートなどなどを考えると、家族に破産することを話して協力してもらったほうがいいのです。

あなたに連帯保証人がいるなら、破産するまえに必ず連絡しよう!

あなたが自己破産をすると、連帯保証人に迷惑がかかります。

もし「絶対に自己破産なんてしない!」と思っていても、現実的に返済がとどこおればどのみち連帯保証人に迷惑をかけてしまうのです。

あなたがすべきなのは、「迷惑をかけないように、破産するかもしれないことを黙ってがんばる」ことではなく、破産の申し立てをするまえに「こういう理由で返済できないから破産をする。迷惑をかけてしまうけど、準備をしておいてほしい」と連帯保証人に説明をすること。

自己破産するなら、連帯保証人への事前連絡が必須です。