「借金の種類の違い」を知って、効率よく債務整理を進めよう!

「借金にも種類がある」

と聞いてすぐにピンとくるなら、あなたは金融業界や借金にかなりくわしいといえます。

ですが、ほとんどの人にとって「借金に種類があるっていわれても……だからどうなの?」と思うくらいですよね。

借金と無縁の生活を送っていればそれで構わないのですが、あなたが債務整理の利用を考えているなら「借金の種類の違い」はぜひとも知っておきたい知識です。

なぜなら、「借金の種類を知っていると、返さなくても良い借金を見分けられる」から。

借金の総額を知ることがまず第一歩」で説明した「借金総額の把握」ができたら、つぎは借金の種類の違いです。

債務整理を効率よく進めるのに役立つ、「借金の種類」をいっしょにチェックしていきましょう。

「サラ金」や「キャッシング」の借金は返さなくても良い!?

借金といってまっさきに思い浮かぶのは、「サラ金」「消費者金融」「クレジットカード」からお金を借りる「キャッシングサービス」ではないでしょうか。

じつは、こういったキャッシングの借金には「返さなくても良い借金」が含まれている可能性が高いです。

理由や事情をくわしく説明すると長いので、ざっくり説明します。

消費者金融やクレジットカード会社は、貸金業法を守ってお金を貸す貸金業者です。

ただ、貸金業法が改正されるまでは貸金業者の金利を定める法律が「利息制限法」「出資法」の2つあって、貸金業者は「利息がたくさんとれる出資法」を使っていました。

法改正もされ、高い出資法の利息で借金を返済する必要はなくなったのですが、そうすると「高金利のとき返済をしていた人は、お金を返しすぎているんじゃないの?」ということになりますよね。

返しすぎているお金、金利の差額を「過払い金」といい、「過払い金は返済する必要がないどころか、手続きすればもどってくる」お金なのです。

「利息の引きなおし計算」で、本当の借金額が見えてくる!

任意整理でも民事再生でも、キャッシングの借金を債務整理すると、「利息の引きなおし計算」を行うことになります。

「出資法の高い利息計算で返済していた借金」を「利息制限法の低い利息計算で計算する」ことで、「あなたが本当に返済すべき借金の額」がわかるのです。

計算をしてわかった「過払い金」は、貸金業者に返す必要のなかったお金。

なので、過払い金ぶんを元金から差し引きして借金を減らしたり、現金でお金を返してもらったりできます。

「貸金業者からの借金」で「過払い金がある」なら、「債務整理で利息の引きなおし計算をすれば、借金が減る」わけですね。

「銀行ローン」だとどうなるの?

「ちょっと待った、サラ金やキャッシング以外にも、銀行だってお金を貸してくれるじゃないか!」

と思ったあなた、鋭いです。

サラ金やキャッシング以外にもお金を貸してくれるところはあります。具体的には銀行、信用金庫、各種の組合などですね。

じつは、こういった企業や団体は「そもそも貸金業者ではない」ので、「利息制限法」や「出資法」「過払い金」と関係がありません。

「貸金業者からの借金がある人が、債務整理すれば利息の引きなおし計算をして金額が減る」のは2つの法律で上限利率の差があり、あなたが過払い金を支払っていたからです。

銀行などは法律の関係上「貸金業法」の適用を受けませんし、そもそも金利だって「利息制限法」で定めるものよりずっと低いですから、利息の引きなおし計算をしても借金は減らないのですね。

法律の話はちょっと面倒で、例えば「クレジットカードのキャッシング機能で10万円借りた」場合と「クレジットカードで10万円のバッグを分割購入した」場合、どちらもおなじ10万円の借金なのですが、適用される法律は違います。

キャッシング機能でお金を借りると「貸金業法の適用」ですが、「ローンでの分割購入」合も、「貸金業法」ではなく「割賦販売法」の適用になり、「利息制限法」は関係ない、ということになるわけです。

では、「貸金業者以外からお金を借りたり、ローンで商品を購入していると、債務整理しても意味がない」のでしょうか。

そんなことはありません。

元金は減らせなくても、「利息のおまけ」で借金を減らせる!

あなたの借金が「貸金業者からのもの」なら、過払い金さえあれば利息の引きなおし計算をすることで借金を減らせます。

では、そもそも過払い金の発生しない銀行や信用金庫からのキャッシング、ローンでの分割購入だったらどうすれば良いのか。

じつは、債務整理のなかでも「任意整理」をすれば、「今月以降の利息をカットできる」のです。

くわしい説明は「任意整理とは」などを読んでもらうとして、「利息を考えず、元金だけを返済することだけ考えれば良い」なら返済もかなり楽になりますよね。

借金の種類の違いがわかると、「貸金業者からの借金だから過払い金がないか調べてみよう」「銀行からの借り入れだから、利息がどれだけ減るか考えてみよう」といった予測もたてられます。

あなたの借金がどの種類のものかを見極めて、てきした債務整理を選べるようになりましょう。