あなたは、どうして自己破産したくないの?
「借金の返済が追いつかない」
「毎日かかってくる取りたての電話に督促状、もう精神を病んでしまいそうだ」
もし、あなたが自分の力でどうしようもない借金トラブルを抱えていたら、すぐに自己破産という選択肢を選べますか?
なんとかして仕事をがんばって、生活を切りつめて借金の返済をがんばる、という人のほうが多いですよね。
自己破産は、けっして利用率の高い手続きではありません。
制度としての知名度こそあるものの、いざ利用するとなると「借金の返済が不可能な人」でも「自己破産だけはしたくない!」と考えるくらいなのです。
どんなにすぐれた制度があっても、制度を利用しようという気持ちがなければ意味はありません。
今回は、「自己破産をしたくない」と思う理由を解消するために、あなたにとって自己破産が救済手段であり、正当な権利の行使であり、あなた以外のだれかを助ける手段である、という話をご紹介します。
「自己破産するのは悪」というのは思いこみ!
どんなに生活が追いつめられていたとしても、自己破産をしたくない人は一定数います。
もちろんきちんとした理由があって自己破産したくない、という人もなかにはいますが、「自己破産にはなんとなく悪いイメージがあるので使いたくない」という人がいるのも事実です。
あなたも、心のどこかに「自己破産なんて不名誉だ!」「外聞が悪い!」「会社や家族、親戚、友人に知られたらどんな目で見られるか!」といった負のイメージをもっていませんか?
自己破産だけでなく、いわゆる債務整理手続きは借金をへらしたりチャラにしたりするものなので、「ずるいこと」「悪いこと」だという認識をもたれやすいです。
借金そのものが、スポーツで汗をながすこととおなじくらい「さわやかで明るい行為」とはいえませんし、社会通念上「借りたお金はきちんと返すべき」という考えが一般的なので、そう思ってしまうのも当然です。
ただ、自己破産をすることが悪いこと、おかしなことだと考えるのは、ただの思いこみにすぎません。
自己破産による免責は、法律によって認められた正当な手続き!
自己破産は、破産法という法律によってルールが決められている制度です。
あなたが自己破産の申し立てをしたとき、可否を判断するのは日本の司法をあずかっている裁判所。
法律にのっとって、裁判所が判断してあなたの自己破産を認めるわけですから、手続きそのものが悪いだなんてことはありえません。
自己破産は、そもそも生活が追いつめられるくらい借金で困っている人のためにつくられた制度です。
心底借金で困っている人が利用することこそが、「いいこと」なのです。
借金苦による自殺・夜逃げ・・・借金から逃げても意味はない!
借金を苦にした自殺は、年間どのくらいおきていると思いますか?
日本はゆたかな国だと良くいわれますが、じつは自殺者がとても多い国でもあります。
WHO(世界保健機関)の調査にもとづく「国の自殺率」では、世界のトップ20位いり。
警察庁や内閣府がまとめた「自殺者統計」「自殺対策白書」によると、平成26年の自殺者数は2万5427人。
これでも人数はへっていて、なんと平成25年になるまでの15年間、ただの一度も年間の自殺者数が3万人を切ったことがないくらいでした。
なかでもいわゆる生活苦、借金を苦にして自殺をする人は平成26年でも年間4144人。
借金以外の理由もふくんだ数字ですが、だいたい自殺する人の16%が借金のせいで自殺をしているわけです。
けっしてすくなくない数字ですが、ここでひとつあなたに知ってほしいのは、「借金を苦にして自殺をするのは、だれにとってもメリットがない」ということ。
自殺や夜逃げはデメリットだらけの選択肢!
ひろい視点で考えると、人が一人自殺すると社会には大きな損失がでます。
あなたが仕事をして稼ぐはずだった収入は失われ、納めるはずだった税金がなくなり、ご飯を食べたり遊びにいったりして使うはずだった消費もゼロになる。
子供をもつことができずに人口がへったり、のこされた家族が借金を返済することになって生活に悪影響がでる可能性だってあります。
債権者はあなたの借金のぶん大損をし、葬式や弔いにもお金がかかります。
どこもかしこもマイナスだらけで、結局なにひとつ借金問題は解決しないのです。
夜逃げをした場合も、おなじような損失がでてしまいます。
自己破産で、あなたとほかのだれかを助けよう
自己破産は、あなたの経済的な再スタートをあとおしするための制度です。
自己破産をすることで自殺・夜逃げせずにすめば、いまあげたような社会的、経済的な損失はうまれません。
あなたが生きてお金を稼ぎ、使うことは、間接的にほかのだれかの収入を支えることにもつながります。
自己破産には、あなたの人生の再建プラスアルファのメリットがあるのです。
借金から逃げても解決にはならない、自己破産は借金で困っている人の正当な権利である、ということを知っていれば、すこしは自己破産も利用しやすくなりますよね。
人生をあきらめるまえに、弁護士に相談してトラブル解決を目指しましょう。