債務整理をするためには、「借金総額の把握」が不可欠だった!

借金の返済に困っている人。できれば債務整理を利用して借金をなんとかしたい人。

どんなにあなたが困っていても、債務整理は失敗するときは失敗します。

債務整理はあくまでも制度として認められている交渉や手続きですから、「手続きを成功させるための心構えや準備」がないと、決して成功しないのです。

「いやいや、人生がかかっている債務整理で失敗する人なんていないでしょ」

と思うかもしれません。

ですが、少なくない人たちが「債務整理の成功に絶対必要なもの」を準備しないまま手続きをしているのです。

じつは、債務整理をして借金返済へ一歩ふみだすためには「自分の借金総額を、正確に把握していること」がなにより大切です。

ただ、「借金総額の把握」を甘く見ていたり、隠している人が多い。

どうして「自分に借金がいくらあるかわかっていないと、債務整理が成功しない」のでしょう。

今回は、「債務整理に向けて、借金に向きあうことの大切さ」をお伝えします。

総額がわからないと、返済計画をたてても意味がない!?

「借金を完済する」って、どういうことだと思いますか?

キャッシングでもローンでも、通常「あなたが借りた元金と、そこにかかる利息を支払っていき、元金が0円になったら」完済になりますよね。

自分では「毎月1万円」ずつ返済しているつもりでも、実際には「利息の1000円と、元金の9000円のあわせて1万円」を返済していることになるわけで、元金の返済額を計算するのはなかなか面倒です。

利息の計算は複雑ですし、借りて返してまた借りてなんてことをしていると、「返すべき元金は残りいくらなのか」「利息はいくら払っているのか」がどんどんわからなくなってしまいます。

ただ、難しいことを考えなくても、少しでも返済していれば取りたてはされないので、ついつい「今月は厳しいから、ちょっと返してまた借りよう」「この会社の返済期限は今日か・・・よし、違う会社からキャッシングして、一時的に返済にあてよう」なんてことをしてしまう。

借金の完済を目指すなら、「あといくら払えば元金がゼロになるのか」「これからさきいくらずつ返済すれば、どれくらいの期間で元金がゼロになるのか」を計算しなくてはなりません。

「自分がいくら借りているのか良くわからないけど、債務整理したい」といっても、「いくら返せば完済になるのか」がわからないので、返済計画をたてても意味がないのです。

「金額がわからない」「怒られそうだからごまかしとこう」がダメな理由

5件以上の会社からお金を借りている人、いわゆる多重債務者の人に多いのですが、債務整理をしようと専門家のところに相談にいったさいに「金額が良くわからないので、なんとなくの金額をいう」「怒られるといやなので、一部の借金についてのみ相談する」人がいます。

どんな理由があっても「総額がわからないまま債務整理をするとうまくいかない」のは説明したとおりです。

ちょっと具体的に考えてみましょう。

例えば「じつは借金が350万円あるけど、それを知らずに200万円完済するつもりで債務整理をした」ら、残りの150万円の支払いが残りますよね。

150万円の借金を知らないまま自己破産をしようとしても、「正確な申し出ではない」ので失敗します。

それじゃあと任意整理や民事再生をしたら、「なんとか200万円を完済できるような返済計画」がつくられます。

給料がいくらで、生活費がいくらで、こことここに毎月これだけ返済すればなんとかなりますよ、というところまでこまかくお給料の使いみちが決まってしまうわけですから、「さらに150万円の返済をする余裕なんてない」ので生活が破たんしてしまうのです。

最初から「350万円の借金を債務整理」しておけば、こんなことにはなりません。

債務整理をするなら、まっさきに「借金総額を調べる」のが重要です。

じつはこれも借金だった! 意外と知らない「借金」の話

債務整理するなら借金総額の把握は必須。

とはいっても、「じゃあ借金ってどれのことなの?」というのがわかっていないと話は進みません。

借金というと「キャッシング」や「銀行ローン」「奨学金」などの「現金の借り入れ」だけをイメージする人も多いのですが、じつは意外なところにも「借金」は隠れています。

例えば、「滞納している支払い」は立派な借金です。

滞納している家賃、携帯電話の使用料、ガス、水道光熱費などですね。

「完済してないリボ払いやローンの残額」も借金です。

車や楽器、家電のローンはもちろん、住宅ローンの残りも借金です。

また、あなたが奨学金や自動車ローン、住宅ローンなどの「連帯保証人」になっている場合、あなたが保証する額がそのまま借金となります。

こういった借金を見落としていると、「思ったよりも借金総額が大きかった!」なんてことになってしまうのです。

「なにが借金なのか」を知らないと見落としをなくすことはできません。

債務整理は借金総額や借金の内訳によって「どの債務整理をしたほうが良いか」も変わってくるので、おろそかにしないようにしましょう。